熊本の弁護士法人 リーガル・プロの「不動産に関する問題について」

建物購入で、買付証明書と売渡証明書を交わしました。
しかし、結局条件の良い別の方に売り渡したようです。
売り主に対して何らかの請求ができるでしょうか。

回答)
正式な売買契約が締結されていないので、契約の成立を主張することは困難と思われます。ただ、契約当事者として、交渉を進め、買付証明書や売渡証明書を交わしたことなどから、契約締結に向けた信頼が形成されています。そこで、契約締結上の過失という構成で、売り主に損害賠償請求ができる可能性があります。
その際、どの程度の金額ができたかについては、買い主が契約締結を信じて拠出した費用(信頼利益といいます。)を前提として、あとは契約に向けた成熟度(どこまで契約締結に向けて交渉が進んでいたか)によって変動するものと思われます。